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オールブラックスにインタビュー! トライ王候補、リーコ・イオアネ選手が教えてくれた「ハカ」のルール

2019.10.01 Tue

アジアで初の開催となるラグビーワールドカップ日本大会で、前人未到の3連覇がかかる「オールブラックス」ことニュージーランド代表。前回のボーデン・バレット選手に続いて、今大会のトライ王候補との呼び声も高い22歳の若きエースWTB(ウィング)、リーコ・イオアネ選手にインタビュー。

───オールブラックスで一番オシャレだというイオアネ選手ですが、今大会で着用するジャージーは日本のヨウジヤマモトさんのデザインです。印象を聞かせてください。

すごく素敵だと思っています! 僕らの(ニュージーランドの先住民族の)マオリの文化も織り交ぜられていますし、何と言ってもジャージーとしてプレーをする上での機能性を兼ね備えつつ、ストリートファッションとしてもかっこいいデザインなので、とても気に入っています!

───リーコという名前は、かつて日本でプレーしていたお父様のエディーさんが所属されていたクラブ名(日本のリコーに在籍していた)と、お世話になった方のお子さんのお名前(元日本代表WTB水谷 眞さん)の娘さんにちなんでつけられたというのは本当ですか?

そうです。兄のアキラは東京生まれですし、僕たちにとって日本は特別な国です。日本の文化も好きです。それに、何度も来日していますが、いつも温かく迎えてくれますし、本当に感謝しています。

───日本の文化で好きなものってなんですか? 今回、ラグビー以外で楽しみにしていることはありますか。

そうですね、実はアニメとか漫画はあまりわからないんですけど、ゲームが好きなので、休みの日はプレイステーションをよくやっています。それと、日本のファッションには最近、興味を持っているので、時間があったら見てみたいですね。ですから、今回のアディダスとの「#CreatorsUnite」プロジェクトのような、日本のアーティストとのコラボレーションもすごく面白いですよね!

「#CreatorsUnite」アートプロジェクトの作品のひとつ、木梨憲武さんによる手のひらをモチーフにしたイラストとイオアネ選手のプレーシーンとのコラージュ作品をバックに。

───他には何か日本で好きなものはありますか?

もちろん、日本食も大好きですよ! 今回もラーメンを食べに行きました。それから、ホテルに温泉があって入りました。体にいいものだし、気持ちよかったですけど、温度が42度だったかな? いつものシャワーの温度よりだいぶ熱いので、あまり長くは入れませんでしたね(苦笑)。

───日本代表のSH(スクラムハーフ)の茂野海人選手とはオークランド代表で一緒にプレーしていました。

カイトですね! もちろんよく知っていますよ。カイトとはオークランドで一緒にプレーしていて、トーナメント(ITMカップ=現Mitre10カップと呼ばれる州代表選手権)を戦いました。僕たちのチームは最後に負けてしまったけど、2015年に決勝戦まで進みました。カイトはいつもハードワークしていて、ひたむきで見習うべき選手でした。今年のスーパーラグビーの(自分が所属する)ブルーズ対(茂野選手の)サンウルブズ戦で久しぶりに会って話したんですけど、彼が日本代表としてワールドカップに出場するのを嬉しく思います。半年前はまだ代表に選ばれるかどうかという状況でしたが、スーパーラグビーで実力を証明して、今や日本のナンバーワンのSHです。彼が努力の人だということを知っているので、それに値すると思います。

───セブンズ(7人制ラグビー)のニュージーランド代表で2016年リオオリンピックにも出場しました。実は今回の日本代表にもオリンピックで対戦した3人の選手(FL徳永祥尭選手、WTB福岡堅樹選手、レメキ・ロマノ・ラヴァ選手)がいるんですよ。

そうなんですか? それは知らなかったけど、もし日本代表と対戦することがあれば楽しみですね!

───ラグビーはいつから始めたのですか。ずっと同じポジションをしていたのでしょうか。

ラグビーは8歳の頃、はじめました。最初はSO(スタンドオフ)をやっていたんですけど、10代の頃からWTB(ウィング)もやるようになって、だんだん自分がWTBの方が面白いと思うようになりました。多分、走るのが好きなんだと思います。

───オールブラックスは試合の前に戦いの踊りである「ハカ」を披露しますよね。選手にとってハカとはどういう意味がありますか。

とても特別で大切なものです。ハカには僕たちのマオリの文化であったり、家族であったり、色々な意味が込められています。もちろん、オールブラックスとしてハカを踊ることは名誉でもあります。トレーニングの時にチームのみんなで練習をしますし、キックオフの前にハカを披露することで、僕たちオールブラックスがチームとしての団結力がさらに高まるような気持ちがして、気合が入ります。観客の皆さんには、僕たちの文化を知ってもらうという意味でも、最初から最後まで注目してみてほしいなと思います。

───ところで、オールブラックスが踊るハカには「カ・マテ」と「カパ・オ・パンゴ」の2種類があるそうですが、どちらを踊るかは誰がどうやって決めるのですか?

ハカにはリーダーというのがいて、その人がコールをしたり他の選手たちを先導したりします。リーダーになる人は、基本的にマオリの血を引いていて、もちろん試合に出る23人のメンバーに入っていないといけません。今のオールブラックスで言えば、SH(スクラムハーフ)のTJペレナラです。ですからどちらを踊るかは、TJと、もちろんチームのキャプテンであるNo.8(ナンバーエイト)のキアラン・リードの2人が試合の前日に決めます。

───最後に、日本のファンもそして世界中からやってくるファンも、イオアネ選手のクリエイティブなプレー、特にトライを期待していると思います。ファンに一言メッセージをいただけますか。

日本ではニュージーランドにいる時と同じくらいの声援をいつも皆さんが送ってくれるので、とても勇気づけられています。ワールドカップでもベストなパフォーマンスを皆さんの前でお見せできたらいいなと思っています。ありがとうございます。

INFORMATION: リーコ・イオアネ1997年生まれ。ニュージーランド・オークランド出身。スピードも突破力も兼ね備え、決定力も高い。2016年のリオデジャネイロ五輪にも出場。2017年からはオールブラックスの主力として活躍し、ワールドラグビーの新人賞に輝いた。今大会、ブレイクが期待されている若きエースWTB。

アートプロジェクト「#CreatorsUnite」「adidas」「ALL BLACKS」そして木梨憲武さんをはじめとする国内外で活躍するクリエイターたちのコラボレーションを通じて、日本を舞台に行われるラグビーの祭典を盛り上げるアートプロジェクト。下記URLにてオンラインで公開されるとともに、アディダス ブランドコアストア渋谷にて開催される「#CreatorsUnite ART EXHIBITION」にて展示中。また、東京を舞台に数々の「予想外」な場所にアートが出現し、このプロジェクトを盛り上げる。
https://adidas.com/CreatorsUnite
Photos:Teppei Hoshida Interview & Text:Yuko Nobe