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週刊 姫野和樹 vol.3
試合の後、「仲間たちの笑顔」を見ることが一番の幸せ

2019.12.13 Fri

日本のベスト4進出を阻んだ南アフリカの、劇的な優勝によって幕を閉じたラグビーワールドカップ。1ヶ月以上に渡る激闘の日々の余韻がまだ残る中、“ラグビーロス”に陥っている人も多いと思うが、ここではワールドカップ前の姫野和樹選手のインタビュー最終回をお届け。今大会を通じて日本代表の若き大黒柱としてMVP級の活躍をし、あのリーチ・マイケル選手も「将来の日本代表キャプテン候補」と認める25歳の“芯”にある思いとは!?

——姫野選手は主にナンバーエイト、フランカーといった攻守両面でキーマンになることが多い重要なポジションを任されていますが、チームの中心を担うためにどのようなことを心がけていますか?

代表デビューした当初は自分のことで精一杯でしたけれど、今はチームの中で自分の持ち味というものをしっかりと発揮できている実感はありますね。キャプテンのリーチさんの負担を軽減させる意味でも僕ら若手がどんどんチームを引っ張っていかなければいけないと思いますし、それはこのワールドカップだけの話ではなく、さらにその先を見据えながら継続して心がけていきたい部分です。

——日本代表と所属クラブであるトヨタ自動車ヴェルブリッツで、姫野選手は自身のキャラクター的にオフピッチではチーム内でどのような“ポジショニング”を取っていますか?

盛り上げ役ではないことは確かですね。その役割に関しては他に適した選手がたくさんいますので(笑)。ただ、代表でもヴェルブリッツでも、日本人選手、外国人選手分け隔てなく積極的に会話はしますし、食事もよく一緒に行きますよ。う〜ん、強いて言うならつなぎ役ですかね。地味ですけど(笑)

——今の日本代表はキャプテンのリーチ・マイケル選手を筆頭に福岡堅樹選手、松島幸太朗選手ら個性と実力を兼ね備えた選手が揃っている印象です。そこで、このワールドカップを機にラグビーに興味を持つ“にわかファン”層に向け、日本代表チームの選手たちの魅力を姫野選手なりにプレゼンテーションするとしたら?

僕ら選手自身から見ても今の日本代表にはカッコイイ選手が本当にたくさんいますよ。熊さんのような選手からムキムキのマッチョ、スタイリッシュな細マッチョ、とにかく足が速いスピードスター、小さくて愛嬌があるのにメンタルがめちゃくちゃ強い選手まで、このワールドカップをきっかけに皆さんなりの“推しメン”を作ってもらって、この先長くラグビー日本代表を応援してほしいですね。

——ラグビーといえば「ノーサイドの精神」。選手たち自身は、その伝統をどう捉えていますか?

ラグビーの試合はまさに食うか食われるかの世界。野獣のような相手を前にこちらがみすみす羊になるわけにはいきませんし、勝つためには必然と自分たちが備えるすべての闘志を出し切らなくてはなりません。ただし、それは試合中だけ。終了のホイッスルが鳴った瞬間に敵と味方の関係性は終わりです。グラウンドに出た全員がリスクペクトの心を持って健闘を称え合い、ときには一緒にお酒だって飲みます。僕ら選手自身、そのお酒が最高においしいんですよ。

——最後に、姫野選手がこれまでラグビーを続けてきて良かったと思える瞬間とは?

僕は常に、80分間、仲間のために最前線で体を張ることが自分の使命だと思ってプレーしています。だからこそ、勝った後に仲間たちの笑顔を見ることがラグビーをやっていて一番幸せを感じる瞬間ですね。これからもきっと、その思いは変わらないと思います。

PROFILE:姫野和樹 Kazuki HIMENO 1994年7月27日生まれ、愛知県出身。187cm・108kg。ポジションはナンバーエイトやフランカーを務める。中学でラグビーを始め、地元の春日丘高校から大学ラグビー屈指の強豪である帝京大学を経て2017年にトップリーグ・トヨタ自動車ヴェルブリッツに加入。初年度から主将を任され、新人賞とベスト15をダブル受賞。将来の日本代表を背負って立つ存在として期待されている。
Interview&Text:Kai Tokuhara  photos:Takemi Yabuki[W] AFP/AFLO